人の行く裏道にこそ花道あれ
先週、先々週共にドルに対する下落方向の可能性についてコメントを書いたが、結論から言えば、相場観が合っていない状態が続いている。週末のシティーグループの決算発表が51億ドルの赤字と市場予想を下回ったことを背景としてドルを買い戻す動きが活発となりドル円は103円を突破してストップロスの買いを誘発しながら104円台中盤までの上昇となっている。
またユーロドルは1.6000ドルにあると言われているオプションバリアを狙う動きが活発となり、東欧勢の買いも相まって史上最高値を更新、1.5985ドルと後一歩のところで跳ね返されており、週末には1.57ドル台前半までの反落を見せている。ドル円は103円を越えたことで日足の雲を上抜けており、当面は昨年12月の高値114.66円と3月の安値95.77円の半値戻しである105.30円近辺を目指す動きが強まりそうだ。また、押し目としては日足雲上限である102.20円近辺が今週の押し目の目処となるが、103円手前でのドルショートも根強いと思われ、今週に限っては103.00円近辺が下げの目処となりそうだ。
G7において玉虫色と思われる声明が出たことで改めてドルを売り込む動きが強まり、市場のポジションがドル売りに傾いていたことが原因と思われるが、考えてみれば昨年以来、米ドルに対する不信感が高まっておりドルを売る動きが実需から投機へと変わっていたのかもしれない。確かに3月末までは本邦輸出を合わせてドルの急落によって米ドルを売り急ぐ向きが増えており、ドル円が100円を割り込み、その後も戻りの重い展開が続いていた。
特にドル円は103円を意識しての戻り売りも活発となっていたが、ここでマーケットが予想外にドルショートに傾いていたのかもしれない。またユーロドルはG7の結果を受けて1.60を試す向きが増え、史上最高値を更新したもののいまひとつユーロ買いに勢いが無い。短期的にユーロドルの支持線は1.5700ドル近辺迄上げており、この支持線を割り込んで来るとユーロロングのポジション調整が早まる可能性が高まっていると言える。
クロス円は全般的にドル円と同じようなFXのチャートの形をしており、今しばらく底堅い値動きが続きそうであり、その意味ではドル円が105円を目指す動きの中でユーロ円や豪ドル円などでも円売りの動きが強まるのかもしれない。
クロス円の相場は?
クロス円が総じて円安方向へのトレンド転換となっている可能性が高まっている。まず、豪ドル円だが、週末に日足雲上限を上抜けたこと、また昨年10月31日の107.39円の高値から引いた抵抗線が97.40近辺にあり週末の市場でこれを試している。97.40円-50円で跳ね返される可能性もあるが、クロス円は全般的に強めに推移しており上抜けの可能性も高いように見える。但し週足の雲上限が98.30円近辺にあり本格的な買い出動は98円台中盤を抜けてからとなるかもしれない。
カナダ円も豪ドル円に一歩遅れた形となっているが、日足での雲の薄いところを狙っており、また11月からの下落も豪ドル円に比べて順調な下落となっていることから、上昇も他の通貨に比べてきれいな上昇を見せるように見える。当面は11月7日の125.57円の高値と3月20日の95.72円の値幅の38.2%戻しのレベルである107.20円近辺をターゲットとしてのカナダ買いとなりそうだ。
ユーロ円はカナダ円などと比べて下げ渋りが強く、あまり調整的な動きが強くなかったことから、上昇も限定的と思われる。昨年7月の168.88円を基点とした抵抗線が現在165.70円近辺にあり、165円台中盤では一旦利食いの売りが頭を抑える展開となりそうだが、1月22日の152.10円、3月20日の151.70円の2番底を見た後、ネックラインといえる161.18円を上抜き、教科書的な目標値は170.30円近辺となっておりユーロ買いに拍車が掛かる可能性も出ている。但し欧州からのユーロ高懸念も強まっており、ここからユーロを買い上がるには勇気がいる。
地味な動きであまり気にしていなかったが、改めてみるとスイス円は直近の高値(92年100.48円、98年100.65円、昨年7月101.85円を上抜いており、上値を試そうとする動きが強まりそうだ。ちなみにこの上の高値は90年の116.09円となっており、このレベルを試す動きが強まればドル円が相当上昇するか、あるいはドルスイスが相当下落となるので一気にスイス買いとなる可能性は低いように思える。